ぎっくり腰(急性腰痛捻挫)とは?

ぎっくり腰の正式名称は「急性腰痛症」といいます。

重い荷物を持ち上げた時など、腰に急激な負担がかかった時になることも多いぎっくり腰ですが、

日常でのささいな動作からも発症することが多くあります。

 

例えば、買い物袋を玄関に置き、膝を伸ばした状態で前かがみになり、買い物袋を持ち上げた瞬間「ギクッ」となったとか、

朝目覚めて状態を起こそうとした瞬間「ピキッ」としたり。

思わぬ瞬間腰に激痛が走り、息もつけないくらいの痛みで身動きが一切できず、脂汗をかきながら痛みが軽減するのを待つしかなかった。

こんな感想をおっしゃる方も多くいらっしゃいます。

このように思いもよらず突然の激痛に襲われるため、海外では「魔女の一撃」とも言われています。

 

ぎっくり腰の多くは、数日後には痛みが軽快され、約1ケ月で自然に治ります。

しかし、1ケ月以上たってもなかなか治らなかったり、再発を繰り返すということもあります。

また、以下の症状の方は椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折などの神経を圧迫するような疾患や、椎間板等が細菌感染し化膿している、がんの疑いがあるなど重度の疾患がある可能性もありますので、早めに整形外科への受信をお勧めします。

どんどん痛みが強くなる

足がしびれる

尿漏れをしてしまったり、便が出にくくなっている

 

 

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰を起こす原因はさまざまありますが、椎間板、椎間関節、仙腸関節に強い負荷がかかり捻挫や炎症をおこしたもの、腰の筋肉や腱・靱帯などが損傷して炎症をおこしたものが多いと考えられています。

 

これは、身体のバランスが悪くなっていることが原因のひとつとして考えられます。

日常的な姿勢のアンバランスにより、腰に少しずつ不安定な力がかかってしまい、骨、椎間板、関節や筋肉などのある一定の個所に疲労を蓄積してしまいます。

するとある時、普段と同じような力が掛かっただけでも限界を超えてしまい、急に「ギクッ」と痛みが走ってしまうということが起きると考えられます。

また、筋肉が脆弱になっている時、過度なスポーツ、腰に負担がかかるような重労働をしているという時にもなる可能性があります。

日常での姿勢や動作、筋力の維持や身体の柔軟性を保つこと等がぎっくり腰にならないためには大切になります。

 

 

ぎっくり腰になった時は…

ぎっくり腰が起きた時は脂汗をかくほど痛いものです。

この時は痛みのため、息も絶え絶えというような状態で、身体中に力が入ってしまいます。

すると腰にも負担がかかったままとなるため、痛みがなかなかおさまりません。

まずは少しでも楽な姿勢になり、つらいとは思いますができるだけ力を抜いて、ゆっくり深呼吸をしてみましょう。

少しずつ痛みが和らいでくると思います。

ぎっくり腰がおきた初期段階では、腰に炎症がおこり熱を帯びている状態になります。

少し動けるようになったら、腰を冷やしましょう。

氷のうや水枕、何もないときはタオルを濡らしたものなどでもよいので、痛みのある個所を冷やす(アイシングする)ようにしてください。

なお、ぎっくり腰は発症してからなるべく早めに治療を開始することで、症状を長引かせず、再発を防ぐことももなります。

自己判断せず、できればその日のうちに、痛くて動けない場合は2~3日中には専門医への受診をするようにしてください。

また、数日して激しい痛みが和らいできましたら、少しずつ身体を動かすようにしましょう。

再発をしないように、身体を整え、生活習慣を見直すことも大切になります。

 

冷やし方 (アイシング方法)
氷のう(ビニール袋に氷を入れる)、水枕、何もなければ濡れタオルなどで、15~20分間しっかりと冷やした後、1~2時間やすませる、また15~20分間しっかりと冷やすということを繰り返します。

この時、氷のうなどを直接つけると冷たすぎて痛い場合は乾いたタオルを1枚挟むとよいです。

アイシングは冷やす時間が大切となります。

短い時間(5分位)でやめてしまうと、かえって炎症している箇所の血行がよくなってしまい、ジンジンと痛みが増してしまいますので、しっかりと冷やすようにしてください。

また、20分以上冷やしすぎるのもよくありません。

いったん冷やすのをやめ、時間をおいてからまた冷やすようにすることが大切です。

2~3日すると炎症は治まってきますので、痛みが軽減してきたら温めて血流を良くしましょう。

ぎっくり腰に限らず、腰が痛い時は温めるとよい、という話をお聞きになった方も多くいらっしゃるのではないかと思いますが、これは炎症がない場合になります。

もしも、冷やして痛みが増すなら温める、温めて痛みが増すなら冷やすというように調節をしてみてください。

 

湿布薬
湿布薬は痛み止めとなり、直接的に身体の温度を下げる・上げるという効果はありません。

炎症を抑えるときは湿布薬を貼るだけではなく、湿布薬を貼った上から氷のうや水枕などを使用するというのはよいかと思います。

お医者様や薬局の薬剤師さんへご相談の上、ご利用になられてください。

 

コルセットは?
激痛のある初期の2~3日間は安静にし、コルセットなどを付けた方が楽なようであれば装着します。

コルセットは長期間使用してしまうと、コルセットを付けた状態での身体の動かし方に慣れてしまい、本来使うべき筋肉を使用しなくなってしまうため、筋力低下を起こしてしまう可能性があります。

様子を見ながら使用し、痛みが軽減してきたら外すようにしましょう。

 

安静にした方がよいか、運動やストレッチをした方がよいか?
ぎっくり腰をおこしたばかりの痛みの激しい2~3日間は、なるべく安静にします。

上を向いて寝る場合は、膝が90度位まで曲がるように、ふくらはぎの下にクッションや毛布などを入れると腰への負担が減ります。

横を向いて寝た方が楽な方は、痛い方の腰を上にし、両膝を曲げ、枕や毛布を丸めたもの腕に抱くと楽になります。

 

重度の疾患がない方は、なるべくした早くから運動などをした方が早く治りますが、運動方法については専門医やトレーナーに相談しながら行うことをお勧めします。

初期の炎症が酷い時期(2~3日)は安静にし、その後痛みはあるものの少し動けるというような状態になったら、普段通りの生活を送ようにします。

また、運動やストレッチについては症状が治まってから、気持ちがよいと思う程度から始めるようにしましょう。

ストレッチは頑張って力を入れて行わず、力を抜いて、息をフーッと吐きながら行うと筋肉に余計な力が入らずできます。

ストレッチ中や後に痛みがでる、痛みが増した場合は中止してください。

運動も軽いものから始め、運動中や運動後に痛みがある場合は中止します。

 

お風呂は入ってよい?
お風呂などで身体を温めて、血行をよくすることはよいことですが、初期の炎症がある時には湯船に浸からず、シャワーのみとした方がよいでしょう。

 

 

 

 

ぎっくり腰でお困りの方は「ぎっくり腰で困ってます。予約したいんですけど」と、お早めにご相談ください。