あん摩・マッサージ・指圧法
あん摩・マッサージ・指圧法
あん摩、マッサージ、指圧法は、徒手による力学的(器械的)刺激を生体に及ぼし、一定の生体反応を生ぜしめて、生体の示す変調を矯正し、または疾病治癒に寄与する方法である。
あん摩法は、中国に起こり日本に渡来した手法であって、漢法医術の一分科として起こり、経絡経穴説を論拠とする。生体の勢力循環系(経絡流注系)における栄衛二気(気と血)の過不足なき流注を治療目的とする東洋医術、虚実補瀉の施術である。
マッサージは、近世フランスに起こり、明治中期に日本に輸入された施術であって、学理研究の結果医学上重要性が認められ、医療補助施術として広く医療、保健衛生面に応用されている。
古来のあん摩法と、マッサージは、その後発展過程で、各々彼我その長をとり、短を捨て、現在ではその手技、作用機転ともに限界がつけにくく、基本的に同一の基盤に立つ施術となっている。
指圧法は柔道の活法、導引、古来のあん摩法より発展した独特の経験施術であるが、大正初期、米国の各種整体療術の学理と手法を吸収して今日に至った手法である。
厚生省医務局医事課編(現厚生労働省)
『指圧の理論と実技』総説より抜粋
発行:医歯薬出版株式会社